核燃料サイクル論争「捻れすぎた構図」

2004年8月号
エリア: 日本

いかにもコストや安全性をめぐって戦わされているような議論の背後には、電力をめぐる政・官・民それぞれの分裂と思惑がある。 原子力発電所から出る使用済み核燃料を再処理して原子炉で燃やすか、それとも永久に埋めて処分するか――。この夏の猛暑も顔負けの熱い議論が電力業界、経済産業省、政治家、学者を巻き込んで交わされている。「再処理は国策だったはず」。頑なに見直しを突っぱねる電力業界。行司役でありながら見直し派が暗躍する経産省。両者の確執は、元をたどれば電力自由化・規制緩和に行き着く。 六月二十一日、東京・霞が関の合同庁舎四号館で内閣府の原子力委員会・原子力長期計画策定会議の第一回会合が開かれた。台風六号の接近で大荒れの空模様にもかかわらず、マスコミ、電力会社の職員などが傍聴に詰めかけ、会場は異様な熱気に包まれていた。核燃料サイクル賛成派、反対派が初めて一堂に会したこの会合で、一年後をメドに再処理と埋設処分どちらが妥当かの判断が下される。 原発で燃やした使用済み核燃料からウランとプルトニウムを取り出し、再び原発で燃やす核燃料サイクルは、一九六六年の閣議決定以降、日本のエネルギー政策として推し進められてきた。その要となるのが青森県六ケ所村にある再処理工場。今夏には、劣化ウランをつかって予行演習するウラン試験が始まる予定だった。その直前に「待った」がかかった。

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