10年間待ち続けた男 英財務相ブラウンのジレンマ

執筆者:土生修一 2004年8月号
カテゴリ: 国際
エリア: ヨーロッパ

[ロンドン発]英国のゴードン・ブラウン財務相(五三)の在任期間が六月十五日で七年四十四日となり、二十世紀以降、英国の財務相としての最長記録を更新した。 在任記録更新は、堅実な財政運営の結果であり、誇るべき記録ではある。しかし、首相の座を目指しているブラウン氏にとっては、財務相としての在任長期化は「待合室での軟禁」でもあり、素直に喜ぶわけにはいかない。 話は十年前にさかのぼる。一九九四年五月、労働党のジョン・スミス党首が急死した。その直後、ロンドンのスペイン料理店「グラニータ」で、ブラウン氏はトニー・ブレア氏と二人っきりで食事をした。当時、労働党は野党で、ブラウン氏が「影の財務相」、ブレア氏が「影の内相」を務めていた。二人とも一九八三年の総選挙で初当選、やがて「労組依存からの脱却など党改革が急務」と声をあげ、改革派の旗手になった。

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