郵政改革とは「現状維持の単なる民営化」だったのか

2004年9月号
エリア: 日本

小泉・竹中コンビの「配慮」で、基本方針は三事業一体に固まりつつある。二〇〇七年、我々は「日本的妥協の産物」をみる。「基本方針が描く郵政民営化の姿は、官から民へ資金の流れを変える本来の狙いからほど遠い。改革の趣旨よりも組織や雇用の維持を優先する色彩が強く、総務省や自民党への配慮がにじんでいる」 政府の経済財政諮問会議が八月初めにまとめた郵政民営化に関する基本方針の骨子をみつめながら、議論に携わってきたある民間関係者は、こう吐き捨てた。 郵政民営化を「構造改革の本丸」に位置づける小泉純一郎政権は、早ければ八月末にも基本方針を策定する。しかし、懸案の経営形態では持ち株会社の設置こそ明記したものの、意見が割れた持ち株方式については結論を先送り。政府内での合意を優先し、小泉政権の改革色をアピールしたい思惑が透けて見える。 基本方針の骨子策定をめぐっては、実質的な現状維持を狙う麻生太郎総務相、生田正治日本郵政公社総裁ら郵政当局側と、国債の安定消化を求める財務省の思惑が一致、これに自民党内の郵政族議員らが加わり「守旧派」を形成。一方、郵政民営化の旗振り役である小泉首相と竹中平蔵金融・経済財政担当相ら「改革派」は、参院選での敗北の影響などもあって押し切られた格好だ。改革にはスタートから黄信号が点灯している。

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