よみがえる「日本叩き」と「アジア軽視」の悪夢

執筆者:小田博利 2004年9月号
エリア: 北米

もし“ケリー大統領”が誕生すれば、経済の主要テーマは財政赤字削減と保護主義になる可能性が高い。クリントン時代の政策がいま再現される危うさとは――。 ブッシュ政権批判のマイケル・ムーア監督の「華氏911」の評判ばかりが日本には伝えられるなか、米国では民主党のケリー候補に対する批判本がオンライン書店アマゾンドットコムの新刊予約のトップに躍り出ている。ベトナム戦争で負傷した英雄を売り物にするジョン・ケリー候補の軍歴に疑問を呈した、ベトナム帰還兵士たちによる暴露本『アンフィット・フォア・コマンド』である。「ケリーは嘘つきだ」「臆病者だった」――退役軍人たちはテレビ・コマーシャルで、口々にこう証言する。独立系団体を名乗るが、共和党に近い立場の元兵士だ。それでも、ケリーの名誉の負傷は銃の取り扱いを誤ったことによる自傷事故だった、という事実の指摘は、「兵役逃れのブッシュ」を批判してきたケリー陣営には手痛い打撃である。 ケリー候補はまた、イラクで大量破壊兵器が見つからないなどの今の状況を知っていたとしても開戦を支持したかとの質問に「イエス」と答え、ブッシュ大統領に塩を送る羽目になった。夫人の奔放な発言が有権者の顰蹙を買っていることもあって、失点続きのブッシュ陣営を今ひとつ攻め切れていない。

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