インテリジェンス・ナウ
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ワシントン政治に翻弄される「CIA長官」というポスト

春名幹男
執筆者:春名幹男 2004年9月号
カテゴリ: 国際
エリア: 北米

 それは感動的な半面、仮面舞踏会のようなムードの奇妙な式だったのではないか。 七月八日、ワシントン郊外ラングレーの米中央情報局(CIA)本部で行なわれたジョージ・テネット長官の退任式のことである。 アレン・ダレス長官に次ぐ二番目に長い任期中、十一人ものCIA職員が殉職した。対テロ戦争を挟んだ難しく激しい時期だった。 約千五百人の職員を前に、妻と息子ら家族を横にしたテネット氏は上気した雰囲気で、人知れぬ要員たちの業績をほめ、感謝した。 あまり話したことのない、ギリシャ移民の両親、家族のことにも触れた。心臓外科医である双子の兄と毎週金曜日に互いの職業を交換するという冗談も紹介した。「兄はCIA長官をやれても、私は彼の患者に近づいただけで医療事故保険が急上昇する」と笑わせた。

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執筆者プロフィール
春名幹男 1946年京都市生れ。国際アナリスト、NPO法人インテリジェンス研究所理事。大阪外国語大学(現大阪大学)ドイツ語学科卒。共同通信社に入社し、大阪社会部、本社外信部、ニューヨーク支局、ワシントン支局を経て93年ワシントン支局長。2004年特別編集委員。07年退社。名古屋大学大学院教授、早稲田大学客員教授を歴任。95年ボーン・上田記念国際記者賞、04年日本記者クラブ賞受賞。著書に『核地政学入門』(日刊工業新聞社)、『ヒバクシャ・イン・USA』(岩波新書)、『スクリュー音が消えた』(新潮社)、『秘密のファイル』(新潮文庫)、『米中冷戦と日本』(PHP)、『仮面の日米同盟』(文春新書)などがある。
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