「在来線高速化」でシーメンス脱落の舞台裏

執筆者: 2004年9月号
エリア: アジア

 中国鉄道省が七月二十八日に実施した、在来線を現在の約二倍の時速二百キロへ高速化する車両高速化プロジェクトの入札。参加した外資は川崎重工業など日本連合と仏アルストム、加ボンバルディアの三グループで、本命の一つとされた独シーメンスの名前はない。 入札会場となった北京市内の高級ホテル、世紀金元大酒店。札入れの締め切りが迫っていた午後四時直前に、入札資料が詰まった段ボール箱を抱えたシーメンスの一団が鬼気迫る表情で乗り込んできた。十分ほどして彼らは逃げるように会場から去った。会場そばの廊下にはドイツ版高速鉄道車両の写真が貼られた段ボール箱が置き去りにされていた。

カテゴリ: 経済・ビジネス
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