日本を足掛かりにHSBCが築く「シティ追撃態勢」

2004年9月号
エリア: ヨーロッパ

 欧州最大の金融グループ英HSBCが業績を急拡大している。今年上半期の純利益は前年同期比五五%増の六十三億五千万ドル(約七千億円)、通期でも二年続けて過去最高益を更新する。「国際金融グループ」を名乗る銀行は数多いが、HSBCほど国際展開がバランスよく進んだ銀行はない。本部を構える英国を中心とした欧州市場、発祥の地である香港などアジア新興市場、そして米国。この三極から三分の一ずつ稼ぎ出す。八月六日には中国国有の中国交通銀行(上海市)に出資、中国市場に最大の橋頭堡を確保した。収益の六割を米国に依存している米シティグループと対照的に、HSBCの世界的な収益分散体制は業績安定に貢献している。 そんなHSBCにも「空白地帯」が残っている。「存在感が乏しい」と、グリーン最高経営責任者(CEO)が自ら認めている日本市場である。ROE(株主資本利益率)を重視するHSBCが狙いを定めたのは、利益率の高い日本の大手ノンバンクだ。 HSBCは現在、UFJグループ傘下の大手信販アプラス買収に動いている。シティグループや米GEキャピタル、あるいは米投資ファンドのローンスターなどと競り合い、最も好条件を提示した模様。

この記事は役に立ちましたか?
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
この記事をSNSにシェアする
執筆者プロフィール
comment:0
icon
  • 記事の閲覧、コメントの投稿には、会員登録が必要になります。
フォーサイトのお申し込み
注目記事ランキング
  • 24時間
  • 1週間
  • f
  • 新着
  • 高評価
  • コメント数順