経済の頭で考えたこと (31)

主権国家とグローバリズムの相克

執筆者:田中直毅 2011年1月3日
タグ: EU 日本 日銀 中国
エリア: ヨーロッパ
EUは亀裂を修復できるか(ブリュッセルの欧州委員会ビル)(C)AFP=時事
EUは亀裂を修復できるか(ブリュッセルの欧州委員会ビル)(C)AFP=時事

 グローバルな利益と主権国家の関係という観点から、2011年を展望してみたい。ここで課題として取り上げるのは、金融不安に揺れるEU(欧州連合)の行方と、地球温暖化ガス排出量抑制の2つだ。この課題をめぐって解決案の工夫がいろいろ登場するであろうが、グローバルな、あるいは地域的な統合が一直線で進行するわけではないことに、われわれは気づくことになるはずだ。ここにきて主権国家の内側からの異議申し立てが相次いでいる。順を追って確認してみよう。

カテゴリ: 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
田中直毅(たなかなおき) 国際公共政策研究センター理事長。1945年生れ。国民経済研究協会主任研究員を経て、84年より本格的に評論活動を始める。専門は国際政治・経済。2007年4月から現職。政府審議会委員を多数歴任。著書に『最後の十年 日本経済の構想』(日本経済新聞社)、『マネーが止まった』(講談社)などがある。
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