人事の要・党組織指導部の朴正順第1副部長が死亡

平井久志
執筆者:平井久志 2011年1月24日
カテゴリ: 国際 政治
エリア: 朝鮮半島

 北朝鮮の朴正順・朝鮮労働党組織指導部第1副部長が1月22日午前1時、肺ガンのため82歳で死亡した。

 朝鮮労働党中央委名での訃告が発表され、金国泰党政治局員を委員長に、金永南最高人民会議常任委員長、崔永林首相、李英鎬総参謀長らをはじめ46人で構成する国家葬儀委員会が構成された。

 朴正順第1副部長の死亡が重要な意味を持つのは、北朝鮮の権力の核心部とされる党組織指導部の中でも党幹部の人事を統轄する第1副部長の座にあったからである。2010年6月に交通事故で死亡した故李済鋼第1副部長が2001年からその職にあったポストである。金正日総書記の義弟である張成沢党行政部長が2004年2月ごろから05年末まで業務停止処分を受けて公式の場に姿をみせなかった背景には、李済剛第1副部長との確執があったとされるほど、李済剛第1副部長は実力を有していた。

 今回の朴正順第1副部長の死亡に当たっては党の核心部署の第1副部長に相応しく国家葬儀委員会が構成されたが、朴正順第1副部長よりもはるかに強大な権力を有して長く第1副部長の座にあった李済剛第1副部長の死亡に際しては、こうした葬儀委員会が構成されておらず、李済剛第1副部長の死亡がやはり疑問に満ちたものであることを逆証明する結果となった。

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執筆者プロフィール
平井久志
平井久志 ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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