堕ちゆく世界の迷走
堕ちゆく世界の迷走(5)

土俵際で繰り出した菅政権の最後の賭け

執筆者:青柳尚志 2011年1月24日
エリア: 日本
財政でも外交でも鳩山路線との決別を狙うが……(外交演説を行なう菅首相)(c)時事
財政でも外交でも鳩山路線との決別を狙うが……(外交演説を行なう菅首相)(c)時事

 1月24日に始まった通常国会で、菅直人政権は土俵際の賭けに乗り出した。自民党案の丸飲みをも視野に入れた社会保障と税の一体改革、首相自身が平成の開国と位置付ける環太平洋経済連携協定(TPP)への参加。二兎追う者は一兎も得ずとなるリスクを覚悟で、一か八かの勝負に打って出ようとしている。  与謝野馨氏の入閣で民主党政権は別物になった。内閣改造前は仙谷由人官房長官が主導権をとった「仙谷・菅」政権だったのに対し、改造後は与謝野氏の経済政策を丸飲みする「与謝野・菅」政権といえる。官邸を去った仙谷氏の心中は穏やかではない。更迭、留任、最後は更迭、と首相の心が揺れ、その都度振り回されたからだ。  今回の改造を前に、首相には高揚感が見て取れた。市民運動の理論的指導者だった政治学者の篠原一氏が、政権獲得後のトランジション(移行過程)第2幕を唱えているのを知り、意を強くしたとされる。要は小沢一郎氏を切って、政治とカネの問題をスッキリさせて、清潔な政治という本来の民主党の姿に戻るということだ。

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