エジプト「100万人行進」が始まります。

2011年2月1日

 エジプトでは、2月1日午後1時(日本時間午後8時)からムバーラク大統領の退陣を求める100万人行進が始まります。それに先がけ、池内恵さんが短い原稿を寄せてくれましたので、編集部ブログでお届けします。「本番」は日本時間深夜になる見込みです。

 


 エジプトでは2月1日、「100万人行進」への呼びかけに応じて、カイロやアレクサンドリアをはじめとする主要都市の中心部に群衆が集まり始めています。午後1時(日本時間午後8時)を起点に大規模行進が行なわれるものと見られます。
 1月31日夜、エジプト国軍は国営テレビと国営通信社を通じて声明を出し、「国軍がエジプト人民に銃を向けることはない」と告げました。
 勢いづいたデモ隊は、一気にムバーラク大統領退陣を要求して圧力をかけるでしょう。
 その際、デモが向かう先はおそらくカイロの大統領宮殿です。カイロに大統領宮殿は2つあります。中心部のアーブディーン宮殿と、ヘリオポリス地区にあるウルーバ宮殿(Uruba; Oroba; Oroubaとも表記される)です。前者は主に儀式に用いられ、一部は観光客にも公開されていますが、後者は実際の執務が行なわれており、非公開で厳重に警備されています。
 おそらく後者のウルーバ宮殿に群集は向かうでしょう。
 ウルーバ宮殿は、カイロで群衆が集まっているタハリール広場から、Kobri 6 October通り、Salah Salem通り伝いに北東に約10キロ。グーグル・マップの表示でいうと、Salah Salem通りがAl Oroba通りと名前を変える交差点で、Al Nadi通りと交差する地点の、ちょっと北西にあります。警護のためか、地図上に「大統領宮殿」とは記されていませんが。
 数十万人単位の群衆がウルーバ宮殿に向かった場合、軍が傍観するにしても、大統領警護を行なう国家防衛隊や共和国防衛隊と衝突する可能性があります。
 大統領宮殿のすぐ北東にはアル・マザ(al-Maza)軍用空港があります(カイロ国際空港はさらに少し北東)。不測の事態の際には大統領はアルマザ軍用空港から逃亡する可能性があります。
 エジプトの支配体制は強固で重層的なもので、そう簡単に大統領が政権を投げ出すとは思えませんが、軍が距離を置き始めていると見えたところで一気に展開する可能性もあります。日本時間の2月1日深夜からが「本番」です。日本で2月2日が明けると、もしかすると事態が動いているかもしれません。
(池内恵)
 

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