「エジプト騒乱」北朝鮮への影響

平井久志
執筆者:平井久志 2011年2月6日
エリア: 中東 朝鮮半島

 本サイトの「動き出した米主導の『対北対話路線』」に併用された北朝鮮の金正日総書記とエジプトの通信会社大手「オラスコム・テレコム」のサウィリス会長との会談の記念写真は、大変興味深いものであった。

 金正日総書記の記念写真で、本人が中央にいないのは大変珍しい。写真は金総書記の義弟の張成沢党行政部長と3人だが、サウィリス会長が真ん中に陣取って、会長は右手で張部長の左手と腕を組み、左手は金総書記の右手を握っている。通常、金総書記の記念写真は金総書記がイニシアチブを取っているが、この写真はサウィリス会長のイニシアチブが感じられる。金総書記の左手を握っていれば、健康状態もかなり分かり、もっと興味深かったと思ったりした。

 サウィリス会長は2008年12月、2009年9月にも北朝鮮を訪問しており、今回の訪朝は3回目だ。

 サウィリス会長は1月21日から24日まで北朝鮮を訪問し、1月23日に金総書記と会談した。金総書記が海外の企業関係者と会うのは極めて珍しい。これは北朝鮮の携帯電話事業を展開し、外郭を建設したまま放置し平壌の恥とまでいわれている柳京ホテルの補修をしているオラスコム社が、北朝鮮にさらに投資するよう要請するために会談に応じたのではないかとみられている。

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執筆者プロフィール
平井久志
平井久志 ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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