クオ・ヴァディス きみはどこへいくのか?

流血の鎮圧か妥協か

執筆者:徳岡孝夫 2011年2月14日
エリア: 中東 アジア

 中東の国の首都には、どこにも同じ光景がある。私がバグダッドの大統領官邸を実際に見たのは50年近い昔で、官邸の主は後にサダム・フセインらに倒された男だった。だが、今も似たようなものであろう。  官邸の周囲には、二重三重に有刺鉄線が張られ、武装した兵士が警備している。車を3分も停めて眺めようものなら、険しい顔で「早く行け」と小銃を振って追っ払う。  日本の官邸のような、お巡りさんではない。攻められても、親衛隊が救いに来るまで持ち堪えられる武器を持って守っている。そしてもう1カ所、国営テレビ局にも同様の防衛線がある。

カテゴリ: カルチャー
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