共和党穏健派追い落としを狙う茶会党勢力

足立正彦
執筆者:足立正彦 2011年2月14日
カテゴリ: 国際
エリア: 北米

 米国中西部のインディアナ州は全米でもティーパーティー(茶会党)勢力の影響力が最も強固な地域の一つである。同州選出で上院外交委員会委員長などを務めた穏健派共和党上院議員のリチャード・ルーガーを、来年実施される同州共和党上院議員予備選挙で追い落とそうとする動きが、茶会党勢力の間で最近活発化してきている。インディアナ州で多数の茶会党活動家らが既にルーガーの対抗馬となる保守派候補擁立に向けた動きを明確にしているのである。先月下旬には70以上もの州内の茶会党関連団体の指導者らが一堂に会し、共和党上院議員予備選挙でルーガーに対抗する保守派候補の一本化を図り、茶会党勢力として一致団結して保守派候補を支持していくことを誓い合っている。茶会党勢力の支持を受けているインディアナ州財務長官のリチャード・マードックは、共和党上院議員予備選挙への出馬の意向を今月明らかにしている。

 インディアナ州の茶会党活動家らが、来年の同州共和党上院議員予備選挙の実施を一年以上も先に控えた現時点から、7期目を目指す現在78歳のルーガーを党内予備選挙で敗北に追い込むために対抗馬を擁立しようとしている背景には、昨年の予備選挙での候補者擁立に関する苦い教訓がある。昨年の中間選挙での候補者を選出する共和党予備選挙で数多くの州において茶会党支援候補が乱立したことで保守票が分散し、従来の共和党主流派候補の指名獲得を許してしまったとの反省がある。また、デラウェア州の共和党上院議員候補であったクリスティーヌ・オドネルに象徴されるように、政治家としての資質に問題がある候補を共和党候補として正式に選出してしまった結果、共和党に十分に勝機があった複数の選挙区においても勝利をみすみす逃してしまったとの反省も茶会党活動家の間にあるためである。

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執筆者プロフィール
足立正彦
足立正彦 住友商事グローバルリサーチ シニアアナリスト。1965年生れ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より現職。米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当する。
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