中東情勢の展開があまりに早いために、スーダン南部の分離独立を問う住民投票の実施はずっと昔であったかのような錯覚に襲われます。投票は1月9日から1週間にわたって実施され、周知の通り、99%近い賛成によって分離独立が確定しました。
南部スーダンの誕生と、中東における強権体制の連鎖的崩壊------。両者は一見、無関係に見えますが、底流の部分で呼応し合っていると、私は考えています。南部スーダンの独立は、スーダンのバシル強権体制の弱体化の象徴であり、スーダンでも民衆の不満が反政府デモとなって噴出しています。
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