裁かれるケニア暴動---あれは「部族対立」なのか?

執筆者:白戸圭一 2011年3月11日
タグ: 日本 大統領選
エリア: アフリカ

 日本の新聞が「部族対立」という言葉でアフリカの紛争を説明していたら、それはウソだと思った方がよい----。新聞記者の私がそう書くと何事かと思われるかも知れませんが、私はそう思っています。私はこれまで、新聞記事でも雑誌や単行本でも、部族対立という言葉でアフリカの紛争を説明したことは一度もありません。ケニアの現職閣僚を含む6人が、近くオランダ・ハーグの国際刑事裁判所(ICC)に「人道に対する罪」で召喚されるというニュースを聞き、改めて何でも「部族対立」の枠にはめたがる報道の過ちについて考えています。

カテゴリ: 政治 社会
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執筆者プロフィール
白戸圭一(しらとけいいち) 立命館大学国際関係学部教授。1970年生れ。立命館大学大学院国際関係研究科修士課程修了。毎日新聞社の外信部、政治部、ヨハネスブルク支局、北米総局(ワシントン)などで勤務した後、三井物産戦略研究所を経て2018年4月より現職。著書に『ルポ 資源大陸アフリカ』(東洋経済新報社、日本ジャーナリスト会議賞受賞)、『日本人のためのアフリカ入門』(ちくま新書)、『ボコ・ハラム イスラーム国を超えた「史上最悪」のテロ組織』(新潮社)など。京都大学アフリカ地域研究資料センター特任教授、三井物産戦略研究所客員研究員を兼任。
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