いま私たちがやるべきこと(2)

平野克己
執筆者:平野克己 2011年3月20日
エリア: 日本

 18日の毎日新聞によい記事が載った。「記者の目」欄、斗ヶ沢秀俊氏のものだ。詳しくはぜひ読んでいただきたいが、福島原発周囲20kmの外側では被曝による健康被害の恐れはまったくないと断言しておられる。同氏はツイッターにおいても、記者生命を賭けてこの記事を書いたと宣言している。さらに、福島原発の事故はチェルノブイリのときとはまったく状況が異なっており、あの惨禍が再来することはない、ましてや「首都圏壊滅」などありえないとも書かれてある。 【リンク】
この記事は、ラジオ福島のインタビューに斗ヶ沢氏が答えた内容を踏まえて書かれた。ラジオ福島は斗ヶ沢氏の言を何度も再放送し、多くの福島県民から「安心した」との反響をえているという。20km範囲のさらに外側にあるいわき市にすら放射能を恐れてトラックが入ってこず、いわき市民は生活物資を断たれている。宮城県被災地に向かうボランティアも新潟経由の迂回路を使っているらしい。科学のライターには、まずこの問題について的確な情報を提供してほしい。それがいまなすべき仕事だ。

 じつは、斗ヶ沢氏は私の高校時代の同級生だ。彼がワシントンに赴任する直前に話したきりだからもう10年は会っていないが、同窓一の美男子といわれたその顔を久しぶりに紙面で拝見した。お互い歳をとったが、誠実な物言いは変わっていない。彼は東北大学理学部に進み、学者の道との選択肢に悩んでいたが毎日新聞の科学部記者になった。私たちは高校時代、一緒に同人誌を作っていた文学仲間だった。

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執筆者プロフィール
平野克己
平野克己 1956年生れ。早稲田大学政治経済学部卒、同大学院経済研究科修了。スーダンで地域研究を開始し、外務省専門調査員(在ジンバブエ大使館)、笹川平和財団プログラムオフィサーを経てアジア経済研究所に入所。在ヨハネスブルク海外調査員(ウィットウォータースランド大学客員研究員)、JETRO(日本貿易振興機構)ヨハネスブルクセンター所長、地域研究センター長などを経て、2015年から理事。『経済大陸アフリカ:資源、食糧問題から開発政策まで』 (中公新書)のほか、『アフリカ問題――開発と援助の世界史』(日本評論社)、『南アフリカの衝撃』(日本経済新聞出版社)など著書多数。2011年、同志社大学より博士号(グローバル社会研究)。
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