台湾選挙の日程で馬英九政権が大技

野嶋剛
執筆者:野嶋剛 2011年3月30日

 台湾政治でひとつ大きな動きがあるかも知れません。

 馬英九・国民党政権はどうも来年2012年の総統選挙を、日本の総選挙にあたる立法委員選挙とのダブル選挙にしてくる「大技」を繰り出してこようとしているようです。私の予想では、2012年の総統選挙は1月14日か21日の土曜日になります。

 もともと台湾の選挙は1月に立法委員選挙、3月に総統選挙という日程が組まれていました。2008年には、立法委員選挙で国民党が3分の2を占める圧倒的勝利を収め、その勢いをかって総統選挙で民進党から政権を奪還したのです。

 ところが、内部情報によると、今回は、総統選挙を1月に二カ月間も前倒しにしてしまおう、というプランが政権内で固められています。その戦略について、「立法委員を捨て、総統を取る」と、私の友人の馬英九側近は言っています。

 馬英九率いる国民党政権はここ2年ほど選挙で民進党に負けっぱなしです。このままでは総統選挙も危うい、との観測が国民党の世論調査でも出ている、とのことです。立法委員選挙での大幅議席減も不可避という判断があり、立法委員選で負けたまま、総統選挙に突入してはますます不利になります。

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執筆者プロフィール
野嶋剛
野嶋剛 1968年生れ。ジャーナリスト。上智大学新聞学科卒。大学在学中に香港中文大学に留学。92年朝日新聞社入社後、佐賀支局、中国・アモイ大学留学、西部社会部を経て、シンガポール支局長や台北支局長として中国や台湾、アジア関連の報道に携わる。2016年4月からフリーに。著書に「イラク戦争従軍記」(朝日新聞社)、「ふたつの故宮博物院」(新潮選書)、「謎の名画・清明上河図」(勉誠出版)、「銀輪の巨人ジャイアント」(東洋経済新報社)、「ラスト・バタリオン 蒋介石と日本軍人たち」(講談社)、「認識・TAIWAN・電影 映画で知る台湾」(明石書店)、訳書に「チャイニーズ・ライフ」(明石書店)。
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