ペイリン不出馬なら茶会党の期待はミシェル・バックマンへ

足立正彦
執筆者:足立正彦 2011年4月1日
カテゴリ: 国際
エリア: 北米

 第112議会が招集された直後の今年1月8日にアリゾナ州ツーソンでガブリエル・ギフォーズ下院議員(民主党―アリゾナ州第8区選出)銃撃事件が発生した。9歳の少女や連邦地裁判事ら6名が犠牲となった同銃撃事件は、サラ・ペイリン前アラスカ州知事が繰り返していた党派色の強い過激な発言が誘発したのではないかとの批判が展開された。一部の共和党政治家までもが2008年大統領選挙での共和党副大統領候補であったペイリンの言動を批判したが、最近、保守系有権者の間でもペイリンに対する支持率が低下傾向にある。ペイリンはイスラエルやインドを最近訪れているが、アイオワ州やニューハンプシャー州などの共和党党員集会・予備選挙序盤の主戦場には足を踏み入れておらず、共和党大統領候補指名獲得争いに出馬するのか否かも未だ明らかにはしていない。

 仮にペイリンが指名獲得争いへの出馬を見送った場合、代わりにティーパーティー(茶会党)支援勢力の支持を集められる女性政治家はミシェル・バックマン下院議員(共和党―ミネソタ州第6区選出)であろう(同議員の公式サイト)。

 バックマンは2006年11月に実施された中間選挙で初当選を果たし、現在僅か3期目である。茶会党運動を積極的に支援しており、共和党下院議員約50名が参加している下院茶会党議員連盟(House Tea Party Caucus)を代表として率いている。そのため、バックマンは全米に茶会党活動家の広範なネットワークを構築しており、茶会党支援勢力から熱心な支持を受けている。茶会党支援勢力は「小さな政府」の実現や大胆な歳出削減を訴えるバックマンを今後熱心に担ごうとする可能性がある。かつてバックマンはオバマ夫妻を「反アメリカ的(“anti-American”)」と発言して物議をかもしたことがあるが、保守系有権者に対するアピール力も十分に持ち合わせている。

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執筆者プロフィール
足立正彦
足立正彦 住友商事グローバルリサーチ シニアアナリスト。1965年生れ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より現職。米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当する。
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