北朝鮮「最高人民会議」の注目点

平井久志
執筆者:平井久志 2011年4月5日
カテゴリ: 国際 政治
エリア: 朝鮮半島

 東日本大震災の凄まじいまでの被害で北朝鮮に対する関心が薄らいでいるような雰囲気もあるが、4月7日に開催される最高人民会議第12期第4回会議は今後の北朝鮮の行方を見る上で重要な会議だ。

この会議の注目点をいくつか指摘しておこう。

①昨年9月の党代表者会で「後継者」として公式に登場した金正恩党中央軍事委副委員長が、国防委員会で第1副委員長や副委員長というポストを獲得するかどうか

②金正恩推戴勢力の中心人物である李英鎬総参謀長らが国防委員会に副委員長などのポストを確保するかどうか

③党代表者会で党政治局や党中央軍事委員会で何の役職にも就かなかった呉克烈国防委副委員長がそのポストを維持するかどうか

④3月16日に突然「身辺関係」で人民保安相を解任された朱霜成(党政治局員、国防委員)の後任人事や国防委の構成がどうなるか

⑤党代表者会で労働党指導部が再編されたが、金日成時代のように最高人民会議前に中央委員会総会が開催されるなど党の機能が回復するかどうか

⑥2012年に「強盛大国の大門」を開くために、新たな経済計画などの提示があるかどうか

⑦予算、決算で「人民生活向上」に向けた具体的な施策が出るかどうか

⑧内閣の一部改造があるかどうか

北朝鮮の最近の報道は金正恩を崔永林首相や李英鎬総参謀長など党政治局常務委員より上位で報道し、事実上、金正日総書記に次ぐ序列2位の扱いをし始めているが、その職責は「大将」「党中央委員」「党中央軍事委副委員長」であるだけで、「後継者」として正式の機関決議があったわけではない。

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執筆者プロフィール
平井久志
平井久志 ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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