人民元がまた利上げ

野嶋剛
執筆者:野嶋剛 2011年4月7日

 中国の人民元がまた金利を上げました。定期一年もので3%が3・25%になります。一年ローンの基準金利も6.06%から6.31%になりました。今年二回目の利上げで、年内に三度目の利上げを予想する声もあります。

 もう一つ、ここのところの動きとして、人民元が対米ドルで最高値を更新させています。これも中国人民銀行が設定する値に基づくものですから、中国政府の誘導ということになります。

 この二つの動きから見えてくるのは、物価や資産価値の上昇を何としても抑え込もうということに中国政府は必死なんだなということだと思います。

 消費者物価指数はいま毎月5%前後の伸びで推移しています。中国政府が設定している上限は4%とされていて、それを超えてモノの値段が上がっているのですね。

 そういえば、先月北京に行ったときは、よく行く「兰州拉面(蘭州ラーメン)」のお店で値段がちゃっかり上がっていました。

 日本の地震や中東の戦乱で物資や資源の供給に不安感が出ているので、いろいろ値が上がる要素が増えているし、最近は中国では何でも買い占める風潮が増えてきていて、野菜などの日常生活に欠かせない食料品までが高騰しているので、このままでは民意の不満に火がつくことを懸念しているのだと思います。

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執筆者プロフィール
野嶋剛
野嶋剛 1968年生れ。ジャーナリスト。上智大学新聞学科卒。大学在学中に香港中文大学に留学。92年朝日新聞社入社後、佐賀支局、中国・アモイ大学留学、西部社会部を経て、シンガポール支局長や台北支局長として中国や台湾、アジア関連の報道に携わる。2016年4月からフリーに。著書に「イラク戦争従軍記」(朝日新聞社)、「ふたつの故宮博物院」(新潮選書)、「謎の名画・清明上河図」(勉誠出版)、「銀輪の巨人ジャイアント」(東洋経済新報社)、「ラスト・バタリオン 蒋介石と日本軍人たち」(講談社)、「認識・TAIWAN・電影 映画で知る台湾」(明石書店)、訳書に「チャイニーズ・ライフ」(明石書店)。
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