食料基地「東北農業」の構造転換を

山下一仁
執筆者:山下一仁 2011年4月18日
エリア: 日本

 東日本大震災は、食料の重要性を改めてわれわれに教えてくれた。被災地では物流が途絶し、食料品自体が手に入らない状態となった。被災地から遠く離れた東京でも、多くの消費者は食料を買い占めに走った。他の物資と異なり、食料は、人間の生命・身体の維持に不可欠なものなので、わずかな不足でも、人々はパニックになる。
 経済力がある日本で生じる食料危機とは、お金があっても、物流が途絶して食料が手に入らないという事態である。今回これは震災で生じた。最も重大なケースは、日本周辺で軍事的な紛争が生じてシーレーンが破壊され、海外から食料を積んだ船が日本に寄港しようとしても近づけないという事態である。世界全体では食料生産能力が十分あったとしても、こうした事態は生じる。これに対処するためには、一定量の備蓄と国内の食料生産能力を確保しておかなければならない。そのためにも、今回被害に遭った東北地方の農業復興が必要である。

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執筆者プロフィール
山下一仁 1955年岡山県生れ。77年東京大学法学部卒業、同年農林省入省。82年ミシガン大学にて応用経済学修士、行政学修士。2005年東京大学農学博士。農林水産省ガット室長、欧州連合日本政府代表部参事官、農村振興局次長などを歴任。08年農林水産省退職。同年経済産業研究所上席研究員。10年から現職。主著に「農業ビッグバンの経済学」(日本経済新聞出版社)「環境と貿易 WTOと多国間環境協定の法と経済学」(日本評論社)。
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