「独裁官」になれなかった菅首相

2011年4月26日

 菅首相の政治生命は、東日本地震と津波、そして原発事故とが長らえさせた。総理大臣が交代するための時間が無くなった。

 菅首相は、「千年に一度」と言われる大災害の危機を管理すべき独裁官の立場にある。国難を乗り越えるために「命がけでこの仕事にとりくむ」ことは当然である。しかし、市民政治家を標榜する本人に、独裁官を引き受ける覚悟があったとは思われない。

 古代共和制ローマ帝国では、外敵の侵入、疫病の流行、政治的混乱など、国家の非常事態発生時に、独裁官が任命された。非常事態対処にあたり、権力分散は非効率であり、ただ一人の独裁官に強大な権力を与えた。非常時には拙速を尊び、「小田原評定」や「船頭多くして船山に登る」ことを避ける仕組みであった。

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