ロン・ポール出馬表明の「大義」

足立正彦
執筆者:足立正彦 2011年5月25日
カテゴリ: 国際
エリア: 北米

 今月13日、ロン・ポール下院議員(テキサス州第14区)は滞在中のニューハンプシャー州から米ABC放送の朝の番組「Good Moring America」に出演し、2012年共和党大統領候補指名獲得争いへの出馬を正式に表明した。2日前の今月11日にニュート・ギングリッチ元下院議長が共和党有力政治家としては初めて正式に出馬表明を行ったため、米主要メディアの関心はギングリッチ出馬に向けられ、ポールの出馬については大々的な報道は行われず、事実関係を淡々と伝える形での報道が殆どであった。

 このような米主要メディアの報道姿勢に象徴されるように、ポールが2012年共和党大統領候補の指名を獲得することはきわめて困難であろう。だが、前回の2008年共和党大統領候補選出プロセスで、ポールが選挙キャンペーン中に自らの政治信条を明確に有権者に訴え続けるとともに、全米に築いた強固な政治献金ネットワークを活用して積極的な選挙キャンペーンを展開したことは記憶に新しい。当時、ジョージ・W.ブッシュ政権が開戦したイラク戦争やアフガニスタン戦争の戦費増大が米国の財政状況を益々悪化させているとして、ポールはブッシュ政権の対外的コミットメントに厳しい批判を共和党内から浴びせた。また、他者の権利を侵害しない限り個人の自由は最大限尊重されるべきであり、国や政府は経済活動や社会活動に干渉すべきではないとのリバタリアン的政治姿勢も選挙キャンペーンで鮮明にしていた。

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執筆者プロフィール
足立正彦
足立正彦 住友商事グローバルリサーチ シニアアナリスト。1965年生れ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より現職。米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当する。
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