これからの「中南米の10年」の展望

遅野井茂雄
執筆者:遅野井茂雄 2011年5月30日
カテゴリ: 国際 金融
エリア: 中南米

 モンテロ米州開発銀行(IDB)総裁が発表した「ラテンアメリカ・カリブの10年 現実の機会(Luis Alberto Montero, La decada de America Latina y el Caribe, una oportunidad real, Washington D.C. IDB, 2011)」が論議を呼んでいる。最近の国連報告にもあるように(World Economic Situation and Prospects 2011 Update as of mid-2011)、世界経済の回復をアジアと中南米の新興経済圏が牽引しているが、モンテロ報告は、世界経済の中で確実にその存在感を高めつつある中南米経済の「次の10年」を自制の効いた楽観主義をもって展望している。中南米経済についての地域開発銀行IDBの昨年来の見方を総括したものだ。

 「失われた10年」(1980年代)から、市場経済改革の10年(1990年代)を経て、中南米は21世紀に入り、資源需要の高まりなど良好な国際環境を追い風に、2008年まで年率5%の成長を達成した。世界金融危機のショックを財政黒字に基づく景気刺激策によって軽微に乗りきり、2010年は6%のV字回復を遂げた。この自信に展望は支えられている。

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執筆者プロフィール
遅野井茂雄
遅野井茂雄 筑波大学大学院教授、人文社会系長。1952年松本市生れ。東京外国語大学卒。筑波大学大学院修士課程修了後、アジア経済研究所入所。ペルー問題研究所客員研究員、在ペルー日本国大使館1等書記官、アジア経済研究所主任調査研究員、南山大学教授を経て、2003年より現職。専門はラテンアメリカ政治・国際関係。主著に『21世紀ラテンアメリカの左派政権:虚像と実像』(編著)。
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