オバマ再選に立ちはだかる「経済・雇用問題」

執筆者:足立正彦 2011年6月8日
エリア: 北米

 米労働省が今月3日に公表した最新の雇用統計が市場関係者の予測を大幅に下回り、米国の景気回復の減速感が一層鮮明となってきている。5月の非農業部門の新規就業者数は過去8ヶ月間で最も脆弱となり、前月比5万4000人の伸びにとどまった。また、5月の失業率も前月比0.1ポイント上昇して9.1%となり、2ヶ月連続での悪化となった。

 今月6日に公表されたWashington Post/ABC Newsの最新世論調査では、オサマ・ビンラディン殺害直後に9ポイント急上昇したオバマ大統領の支持率はもはや一過性のものとなり、「不支持」(49%)が「支持」(47%)を上回り、殺害以前の水準に戻った。ビンラディン殺害の効果は僅か1ヶ月余りで完全に消え失せてしまった。

カテゴリ: 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
足立正彦(あだちまさひこ) 住友商事グローバルリサーチ株式会社シニアアナリスト。1965年生まれ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より、住友商事グローバルリサーチにて、シニアアナリストとして米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当し、17年10月から米州住友商事ワシントン事務所に勤務、20年4月に帰国して現職。
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