【ブックハンティング】孤軍奮闘する改革派官僚が見たこと、考えたこと

執筆者:馬淵澄夫/屋山太郎 2011年6月16日
カテゴリ: 政治 書評
エリア: 日本
『日本中枢の崩壊』古賀茂明著(講談社刊)
『日本中枢の崩壊』古賀茂明著(講談社刊)

 この本の著者・古賀茂明氏は経済産業省のキャリア官僚だが、自民党内閣から民主党内閣にかけて国家公務員制度改革推進本部の事務局審議官を務めた。財務省を初めとする各省庁が改革を逃れようとする中で、古賀氏は強力な官僚改革案を出し続けた。当時も今も古賀氏は孤軍奮闘で、本省の経産省でさえ古賀氏の処遇に悩んで2年近く「官房付」の肩書きを与えて生殺しにし、つい最近、事務次官が正式に退職を求めたという。  だが、古賀氏は経産省を辞めるべきではない。古賀氏の発想が極端かといえば、私がこう改革しなければ日本が沈むと思いつめてきた考え方と寸分変らない。  古賀氏は思いのたけをぶつけて自分の考え方を発信してきた。その考え方を集大成したのが『日本中枢の崩壊』(講談社)である。  古賀氏の孤軍奮闘が国会で注目され、古賀氏が参院予算委員会に呼ばれたことがある。その時の古賀氏の答弁は明解だった。 「天下りがいけない理由は2つある。天下りによってポストが維持され、無駄な予算が流れるのが1つ」 「もう1つは民間企業などを含めてそういうところと癒着が生じる。すると企業や業界の利益を守るために規制が変えられないようなことが起こる。ひどい時には官製談合のような違法なことが起こる」  この見解について、かつて民主党は全面的に賛同し、09年の総選挙の時は「脱官僚」「天下り根絶」が叫ばれた。天下り先に流れている金は12兆円ともいわれた。

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