北朝鮮は、2006年7月5日未明より、7発の弾道ミサイルを発射した。米国時刻で7月4日、独立記念日である。その狙いは、スカッド、ノドンに加え、実験には失敗したものの、長射程の新型ミサイルを用いた同時攻撃によって、韓国、日本、グアムの米軍基地を一気に制圧する力があることを誇示するものだった。同年10月9日に、核実験を実施したが、その日は奇しくも、コロンブス・デイに当たる。
2009年4月5日には、ハワイに向けた新型ミサイルの実験を行い、同年5月25日には、2度目の核実験を行った。遡れば、北朝鮮は、1993年核拡散防止条約(NPT)脱退宣言の直後にも、日本海に向けてミサイルを発射している。この時は、NPT脱退宣言を行ったものの、実際は脱退とはならず、やがて米朝枠組み合意へとつながり、「危機を演出して譲歩を引き出す」北朝鮮の対米戦略の原型となった。

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