サイバー・セキュリティで「日米戦略的政策協議」

春名幹男
執筆者:春名幹男 2011年6月27日
エリア: 北米

 21日ワシントンで行われた日米安全保障協議委員会(2プラス2)。日本の大手メディアはみんな価値判断、見出しの付け方を間違ったのではないか。
インテリジェンスの立場から言えば、中国やロシア、北朝鮮なら、どの点に一番注目するか、考えてみることが重要ではないか。
そんな観点から、2点指摘しておく必要がある。
第1点は、東日本大震災に対応して、自衛隊と米軍が市ヶ谷、横田、仙台に設けた「日米調整所」を2プラス2がどう評価したか、ということだ。日米調整所という聞き慣れない名称だが、有事なら事実上の合同司令部と言ってもいい。こうした要員配置について、発表文書は「意思疎通及び運用調整の中心としての機能を果たした・・・この経験は,将来のあらゆる事態への対応のモデルとなる」と高く評価している。この文章の重要ポイントはもちろん「将来のあらゆる事態」である。英語ではcontingencies of all kindsとなっている。つまり有事の際にはモデルになる訓練が大震災を機にできた、ということなのだ。
もう一点は、今月米国防総省が発表するサイバー戦略に関連して、「戦略的政策協議」の場を設置することで合意したことである。オバマ政権はサイバー空間を陸、海、空に続く新たな戦闘領域と位置付けている。もちろんサイバー空間における仮想敵国は中国、ロシア、北朝鮮など。日米同盟がいよいよサイバー空間にまで防衛の場を拡大するのである。
 

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執筆者プロフィール
春名幹男
春名幹男 1946年京都市生れ。大阪外国語大学(現大阪大学)ドイツ語学科卒業。共同通信社に入社し、大阪社会部、本社外信部、ニューヨーク支局、ワシントン支局を経て93年ワシントン支局長。2004年特別編集委員。07年退社。名古屋大学大学院教授を経て、現在、早稲田大学客員教授。95年ボーン・上田記念国際記者賞、04年日本記者クラブ賞受賞。著書に『核地政学入門』(日刊工業新聞社)、『ヒバクシャ・イン・USA』(岩波新書)、『スクリュー音が消えた』(新潮社)、『秘密のファイル』(新潮文庫)、『スパイはなんでも知っている』(新潮社)などがある。
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