アフリカ成長機会法の10年

執筆者:白戸圭一 2011年6月28日
タグ: 日本
エリア: 北米 アフリカ

 6月中旬に米国のクリントン国務長官がザンビア、タンザニア、エチオピアのサブサハラ・アフリカ3カ国を歴訪しました。歴訪の目的の一つは、ザンビアの首都ルサカで開催された「AGOA」に関する閣僚級会合に出席することでした。

 AGOAはAfrican Growth and Opportunity Actの略で、日本語では一般的に「アフリカ成長機会法」と訳されています。アフリカ研究者やアフリカでのビジネスに関係している人々の間ではよく知られた2000年5月施行の米国の法律です。この法律の適用対象国とされたアフリカの国は、自国が生産した製品を原則として無関税で米国へ輸出することが可能になります。米国市場へのアクセスを容易にすることによってアフリカ側の輸出産業を間接的に育成し、アフリカの経済発展に寄与しようというのが同法の第一義的な狙いです。同時に米国を中心とする市場経済圏を広くアフリカに構築し、米国企業のアフリカ進出を促進しようとの狙いも込められています。

カテゴリ: 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
白戸圭一(しらとけいいち) 立命館大学国際関係学部教授。1970年生れ。立命館大学大学院国際関係研究科修士課程修了。毎日新聞社の外信部、政治部、ヨハネスブルク支局、北米総局(ワシントン)などで勤務した後、三井物産戦略研究所を経て2018年4月より現職。著書に『ルポ 資源大陸アフリカ』(東洋経済新報社、日本ジャーナリスト会議賞受賞)、『日本人のためのアフリカ入門』(ちくま新書)、『ボコ・ハラム イスラーム国を超えた「史上最悪」のテロ組織』(新潮社)など。京都大学アフリカ地域研究資料センター特任教授、三井物産戦略研究所客員研究員を兼任。
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