共和党内の「内向き志向」が鮮明に

足立正彦
執筆者:足立正彦 2011年7月4日
カテゴリ: 国際
エリア: 北米

 米国の財政赤字が増大する中、共和党内では財政保守派勢力の台頭が目覚ましい。対照的に、米国の対外的コミットメントの必要性を訴える共和党内の対外的タカ派勢力が後退しつつあるように映る。10年前の米国同時多発テロ事件発生後のジョージ・W・ブッシュ政権下の共和党には、対外的コミットメントを支持するコンセンサスが形成されていた。だが、財政が悪化する中、従来までの共和党内に存在していた対外的コミットメントを支持するコンセンサスにも微妙な変化が生じてきている。2012年の共和党大統領候補指名獲得争いに出馬している大統領候補の立場と4年前の政治サイクルでの大統領候補のそれとを比較しても変化は顕著である。

 2008年共和党大統領候補選出プロセスの共和党大統領候補の中で、財政に対する戦費負担を理由にアフガニスタンやイラクからの撤退を訴えた候補はリバタリアン志向のロン・ポール下院議員(テキサス州第14区選出)だけであった。他方、共和党大統領候補指名を獲得したジョン・マケイン上院議員(アリゾナ州選出)をはじめ、フレッド・トンプソン元上院議員(テネシー州選出)、ルドルフ・ジュリアーニ前ニューヨーク市長など多くの候補が積極的な対外的コミットメントの必要性を訴えていた。

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執筆者プロフィール
足立正彦
足立正彦 住友商事グローバルリサーチ シニアアナリスト。1965年生れ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より現職。米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当する。
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