江沢民前国家主席の死去は本当か

野嶋剛
執筆者:野嶋剛 2011年7月7日

 

ちょうど昨日まで北京に行っていたが、5日夜から「江沢民が死去した」という話が、かなりの確かさをもってメディア関係者に伝わり始めた。それを受けて、すでに香港などのメディアが「死去」を事実として報じている。江沢民の死去、あるいは限りなく死に近い容体にある可能性が強まっている。

「新聞、雑誌はすべて追悼記事の準備を整えた」というジャーナリストもいたし、「今週中に発表するだろうから、特集記事などの差し替えをしなきゃ」と頭を抱える雑誌編集者もいた。

どれも未確定情報ではあるが、こんな話を耳にした。

①いままで江沢民は健康不安説や死亡説が流れたときはあえて公共の場に姿を見せて打ち消してきたが、今回はそれがない。

②江沢民は北京の病院に入院している(江沢民の本拠地は上海だが、北京で逝くのが中国の最高指導者の務めらしい)

③現在は脳死状態でまだ生命維持装置を外されておらず、党中央政治局常務委員の何人かが海外にいるので、帰国を待って生命維持装置を外し、発表する。

江沢民死去説は、6月下旬の段階からネットなどで少しずつ流れては削除される状況が起きていた。江沢民は今年84歳。今年に入って体調不良が伝えられていた。北朝鮮の金正日総書記の5月訪中で、江沢民は金正日と会ったとの情報も流れていたので、回復に向かっていると思われた時期もあったが、7月1日の結党記念日の式典で姿を見せなかったことから、真実味を帯びた。今年の結党記念式典は90周年を祝う特別なものだったこともあり、結党記念日が過ぎるのを待って、情報を徐々に漏らし始めた、との見方も出ている。

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執筆者プロフィール
野嶋剛
野嶋剛 1968年生れ。ジャーナリスト。上智大学新聞学科卒。大学在学中に香港中文大学に留学。92年朝日新聞社入社後、佐賀支局、中国・アモイ大学留学、西部社会部を経て、シンガポール支局長や台北支局長として中国や台湾、アジア関連の報道に携わる。2016年4月からフリーに。著書に「イラク戦争従軍記」(朝日新聞社)、「ふたつの故宮博物院」(新潮選書)、「謎の名画・清明上河図」(勉誠出版)、「銀輪の巨人ジャイアント」(東洋経済新報社)、「ラスト・バタリオン 蒋介石と日本軍人たち」(講談社)、「認識・TAIWAN・電影 映画で知る台湾」(明石書店)、訳書に「チャイニーズ・ライフ」(明石書店)。
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