携帯電話・値下げ競争の終焉

執筆者:山田剛 2011年7月30日
カテゴリ: 経済・ビジネス 国際

 インフレ傾向が定着するインドで唯一例外的に続いていた携帯電話の値下げ競争が、ついに終焉を迎えた。

 日本のNTTドコモが出資するタタ・ドコモをはじめ、業界最大手のバルティ・エアテル、ボーダフォンなどが相次ぎ通話料金の値上げに踏み切っている。一時は毎月2000万件前後の超ハイペースで加入者が増え続ける中、各社はシェア獲得・維持に全力を挙げ、1秒=1パイサ(100分の1ルピー=約0.018円、つまり1分約1円)という超安値まで登場していたが、今後の課題となる地方・農村部の開拓や、同様にこれからサービス拡大に取り組まねばならない3Gサービスへの投資などを控え、収益の改善が急務となっているからだ。
 携帯電話では世界最速の成長市場であるインドの累計加入者数は、5月末現在で8億4028万件。5年前に比べほぼ8倍という驚異的な増加ペースだ。もっとも、インド国内に携帯の端末が8億台もあるわけではなく、あくまで「販売されたSIMカードののべ枚数」(しかも大部分がプリペイド方式)だ。印電気通信管理局(TRAI)によると実際に稼働しているのはこのうち7割程度だが、それでもインドが中国に次ぐ世界第2位の携帯電話市場であることには変わりはない。

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執筆者プロフィール
山田剛 日本経済研究センター主任研究員。1963年生れ。日本経済新聞社入社後、国際部、商品部などを経て、97年にバーレーン支局長兼テヘラン支局長、2004年にニューデリー支局長。08年から現職。中東・イスラム世界やインド・南アジアの経済・政治を専門とする。著書に『知識ゼロからのインド経済入門』(幻冬舎)などがある。
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