平和を維持するための軍事力

2011年8月5日

 『世界の戦争と国際貢献活動のトランスフォーメーション』を著したイスラエルのヘブライ大学教授アヤル・ベンアリ氏に話を聞いた。氏は、自衛隊や防衛大学を訪問取材し、日本の安全保障政策が転換期にあるという仮説に確証を得る目的で訪日した。

 氏の言う「Normalization」は、現代国際社会における普通の感性に合わせるという意味で、「普通化」と訳すのが最適であろう。日本の安全保障政策および軍事力の運用においては「普通化」が進み、戦争や軍事に対する拒絶感が和らいでいると見ている。次の5つの現象が、「普通化」を象徴しているとする。

 第1に、軍事力の保有と運用の現状を正当化する法解釈が安定したこと。第2に、軍事力が国際秩序の維持を担うという認識が定着しつつあること。第3に、軍事に対する過剰と思われる拒否反応が影をひそめたこと。第4に、世界の共通課題を解決するにあたって軍の活動に期待する意識が高まっていること。第5に、国際社会からの軍事的役割分担の要請に逆らわない態度が至極当たり前とされるようになっていることとしている。戦争において戦う主役となる軍事力が、平和貢献という大義の中で正当化されるという現代的解釈が支配的になっている。

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