「オバマ再選」も見えなくなった米政治の混迷

執筆者:渡辺靖 2011年8月11日
カテゴリ: 国際 金融
エリア: 北米
米政治の亀裂は深まっている(c)EPA=時事
米政治の亀裂は深まっている(c)EPA=時事

 去る8月2日にオバマ米大統領が債務上限の引き上げ法案に署名し、同法が成立した。デフォルト(債務不履行)という最悪の事態は辛うじて回避されたが、そこに至る道のりは米国の今後にかなりの不安を抱かせるものだった。  そもそも債務上限はこれまでほぼ自動的に引き上げられており、政争の具にはされてこなかった。いわば暗黙のルールだ。しかも、今回、歳出削減策とのパッケージで論じられたため、来年秋の大統領選挙を睨んだ力学も働き、党派対立や党内対立が熾烈さを極めた。  デフォルトが刻一刻と現実味を増すさまは、まるで大国の崩壊を描いたハリウッド映画を見ているようだった。当初は「何とかなるだろう」と楽観視していた米国人の友人や知人からのメールにも危機感や怒りが滲み出るようになった。

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執筆者プロフィール
渡辺靖 1967年生まれ。1990年上智大学外国語学部卒業後、1992年ハーバード大学大学院修了、1997年Ph.D.(社会人類学)取得。ケンブリッジ大学、オクスフォード大学、ハーバード大学客員研究員を経て、2006年より現職。専門は文化人類学、文化政策論、アメリカ研究。2005年日本学士院学術奨励賞受賞。著書に『アフター・アメリカ―ボストニアンの軌跡と〈文化の政治学〉』(サントリー学芸賞)、『アメリカン・コミュニティ―国家と個人が交差する場所』、『アメリカン・センター アメリカの国際文化戦略』などがある。今年10月に岩波新書から最新刊『アメリカン・デモクラシーの逆説』が刊行された。
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