茶会党勢力伸長の「落とし穴」

足立正彦
執筆者:足立正彦 2011年8月29日
カテゴリ: 国際
エリア: 北米

 2012年共和党大統領候補選出プロセスで最も注目されるのはティーパーティー(茶会党)支持勢力が同プロセスにもたらす影響力である。オバマ政権が発足した翌月の2009年2月17日に7870億ドルの大型景気刺激策「2009年米国再生・再投資法(ARRA)」が成立した後で、全米各地で自然発生した保守派有権者の草の根政治運動である茶会党運動が台頭してから2012年大統領選挙は初めての大統領選挙となる。2年半前の茶会党運動発生当時、茶会党支持勢力の隆盛を支えているのは米国の現状に対する「怒り」や「苛立ち」であり、米国経済が回復した場合、茶会党運動も1992年大統領選挙キャンペーン当時の「ロス・ペロー旋風」のように、次第に影響力を低下させていくとの見方が専門家らの一致した見方であった。

 ところが、米国経済は引き続き低迷しており、政権発足以降、積極的な財政出動を図ってきたオバマ民主党政権の経済政策に対する有権者の信頼も著しく低下している。茶会党支援勢力の共和党大統領候補選出プロセスにおける影響力はむしろ強まっているように映る。

 8月26日、世論調査会社ギャラップ社は2012年共和党大統領候補指名獲得争いに関する最新世論調査結果を公表している(ギャラップ社発表プレスリリース「Tea Party Supporters Backing Perry for GOP Nomination」)。ギャラップ社は8月17日から21日までの4日間、全米の共和党員及び共和党系無党派層1040名を対象に電話による世論調査を実施した。自らは茶会党運動の支持者であるとする共和党員及び共和党系無党派層が最も支持したのは、今月13日に出馬表明したばかりのリック・ペリー・テキサス州知事であり、回答者の35%がペリー支持と回答した。14%で同率2位となったのはミット・ロムニー前マサチューセッツ州知事とミシェル・バックマン下院議員(ミネソタ州第6区選出)であったが、ペリーは2人を21ポイントも引き離している。対照的に、自らは茶会党運動を支持しないと回答した共和党員及び共和党系無党派層が最も支持したのは23%を獲得したロムニーであり、2位には20%でペリーが続いた。

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執筆者プロフィール
足立正彦
足立正彦 住友商事グローバルリサーチ シニアアナリスト。1965年生れ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より現職。米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当する。
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