グジャラート州~新たなインドの自動車生産ハブに

執筆者:山田剛 2011年9月4日

 インドの西端に位置するグジャラート州は、独立の父マハトマ・ガンジーや初代副首相サルダール・パテルをはじめ、数多くの有力ビジネスマンを輩出した地として知られ、近年では繊維や石油化学産業の集積地としてインド経済において重要な位置を占めている。このグジャラートで最近、内外大手自動車メーカーが相次いで工場建設を決定あるいは検討を開始しており、マルチ・スズキの工場が建つグルガオンやマネサールなどニューデリー首都圏や日産自動車が進出した南部チェンナイ、タタ自動車やフォルクスワーゲンが拠点とする西部マハラシュトラ州プネーなどと並ぶ新たな自動車生産ハブに躍り出る勢いだ。
 

 この背景には、同州のナレンドラ・モディ首相(60、県知事に相当)の強力なリーダーシップがある。2001年10月から10年近くにわたって州政権を担うモディ氏は、第2次印パ戦争で義勇兵に志願するなど愛国者ぶりを発揮。汚職撲滅運動などの政治活動に参加して名を上げた。87年にインド人民党(BJP)に入党するとわずか1年足らずの間に同党の州トップへと駆け上がった。

 2002年に2000人以上の死者を出したヒンドゥー・イスラム教徒の対立による流血、いわゆる「グジャラート暴動」では、対応が後手に回り、暴動をあおったとの疑惑も指摘され、05年8月に予定していた訪米に際しては人権団体の抗議行動もあって米政府がビザ発給を拒否する事件も起きた。
 

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執筆者プロフィール
山田剛 日本経済研究センター主任研究員。1963年生れ。日本経済新聞社入社後、国際部、商品部などを経て、97年にバーレーン支局長兼テヘラン支局長、2004年にニューデリー支局長。08年から現職。中東・イスラム世界やインド・南アジアの経済・政治を専門とする。著書に『知識ゼロからのインド経済入門』(幻冬舎)などがある。
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