野田・オバマ首脳会談はいいスタートを切った

執筆者:渡部恒雄 2011年9月26日
カテゴリ: 国際 外交・安全保障
エリア: 北米

 9月21日(日本時間22日)にニューヨークで行なわれた野田・オバマの初の日米首脳会談だが、日米の最初の顔合せにありがちな、セレモニー的な要素はほとんどなかった。日本の新聞には野田首相が外交で試練というような見出しが載っている。日本のマスメディアの自虐性はいまさら批判しても仕方がないとして、まず指摘しておきたいのは、同じように試練の状況にあるのはオバマ大統領も一緒だということだ。

 22日の日本の新聞に否定的なトーンの記事が掲載された翌日、オバマ大統領が野田首相について、「彼となら仕事ができる(I can do business with him)」と語っていたことが報道された。政治的な苦境にある日米の若い首脳が、難しい課題から逃げずにストレートに話をしたことは、両者にとっては決して悪いスタートではなかったはずだ。和やかな会談が、必ずしも外交成果を約束するわけではないことは、鳩山・オバマ会談を振り返ってみればわかるだろう。

 今回の日米首脳会談が、厳しい雰囲気の中で行なわれたことには、2つの理由がある。1つは、オバマ大統領がこれ以上ないほどに追い詰められていることだ。もう1つは、5年間で6人目の日本の首相について、誰も単純な期待は持てないという当然の話だ。死んだ子の歳を数えてもしかたがないが、2009年にオバマ政権に勢いがあったときに、日本の有権者の大きな期待を集めて政権に就き、結局は日米同盟の信頼を大きく傷つけ、普天間基地移設問題をかつてないほど難しい状況に追い込んで退場した鳩山首相の罪の大きさを、改めて実感させられた。

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執筆者プロフィール
渡部恒雄 わたなべ・つねお 東京財団上席研究員。1963年生れ。東北大学歯学部卒業後、歯科医師を経て米ニュースクール・フォー・ソーシャルリサーチで政治学修士号を取得。1996年より米戦略国際問題研究所(CSIS)客員研究員、2003年3月より同上級研究員として、日本の政党政治、外交政策、日米関係などの研究に携わる。05年に帰国し、三井物産戦略研究所を経て現職。著書に『「今のアメリカ」がわかる本』など。
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