ポーレンティーの支持表明でも苦しいロムニー

執筆者:足立正彦 2011年9月27日
エリア: 北米

 先月13日に行なわれたアイオワ州共和党大統領選挙模擬投票(エイムズ・ストローポール)で3位となり、共和党大統領候補指名獲得争いから撤退したティム・ポーレンティー前ミネソタ州知事が、ミット・ロムニー前マサチューセッツ州知事への支持を今月12日に表明した。

 ポーレンティーは共和党大統領候補指名獲得争いから撤退する前は、第111議会でオバマ政権が成立させた医療保険制度改革関連法はロムニーがマサチューセッツ州知事時代に署名した同州の医療保険制度改革が先例となっていることをオバマ大統領自身も認めているとして、「Obama」と「Romney」を掛け合わせた「Obamneycare」という造語を使ってロムニーの医療保険制度改革導入を批判していた。現在、共和党の他の候補から標的となっているロムニーの最大の弱点は、オバマ政権が導入した医療保険制度改革法と酷似し、全米に先駆けてマサチューセッツ州の全州民に医療保険加入を義務付けた医療皆保険制度の導入である。

フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
執筆者プロフィール
足立正彦(あだちまさひこ) 住友商事グローバルリサーチ株式会社シニアアナリスト。1965年生まれ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より、住友商事グローバルリサーチにて、シニアアナリストとして米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当し、17年10月から米州住友商事ワシントン事務所に勤務、20年4月に帰国して現職。
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top