セーシェルやジブチにまで無人機基地

春名幹男
執筆者:春名幹男 2011年10月3日
カテゴリ: 外交・安全保障 国際

 国際テロ組織アル・カエダ系のイスラム武装勢力「アラビア半島のアル・カエダ」(AQAP)幹部、アンワル・アウラキ師の殺害に使われた米中央情報局(CIA)の無人偵察機。各種報道では、アウラキ師が仲間4人と北部ジャウフ州を車両で移動中、攻撃を受けた、という程度しか分からない。
実は、一番重要な情報は、この無人偵察機がどの基地から飛来してきたか、だ。
オバマ政権はヘルファイアー空対地ミサイルを搭載した無人偵察機を対テロ戦争の主要な武器として使用している。これまで、アフガニスタン、イラク、リビア、パキスタン、ソマリア、そして今度のイエメンと計6カ国での使用が確認されている。
そして、無人偵察機は、上記6カ国に加えて、その周辺ないしは飛行距離内の友好国に置いた秘密基地から出撃しているのだ。イエメンには、イエメン国内の基地のほか、ジブチ、さらに国籍不明の「アラビア半島の別の基地」からも出撃しているようだ。最近、判明した新たな基地は東アフリカ沖、マダガスカルの北方にあるセーシェルだ。さらに、セーシェルおよびジブチから出撃するのはソマリアのアル・カエダ系組織アル・シャバーブの拠点やアジトなどだ。
さらに、エチオピアにも別の基地を建設中、それに加えてトルコとも交渉中だというのだ。
南西アジアから中東にかけて網の目のように張りめぐらされつつある無人偵察機、プレデターとリーパーの基地網。セーシェルの空港近くにある基地には3、4機のリーパーと100人程度の米軍人が配置されているという。見えないテロ戦争がますます見えにくくなっている。

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執筆者プロフィール
春名幹男
春名幹男 1946年京都市生れ。大阪外国語大学(現大阪大学)ドイツ語学科卒業。共同通信社に入社し、大阪社会部、本社外信部、ニューヨーク支局、ワシントン支局を経て93年ワシントン支局長。2004年特別編集委員。07年退社。名古屋大学大学院教授を経て、現在、早稲田大学客員教授。95年ボーン・上田記念国際記者賞、04年日本記者クラブ賞受賞。著書に『核地政学入門』(日刊工業新聞社)、『ヒバクシャ・イン・USA』(岩波新書)、『スクリュー音が消えた』(新潮社)、『秘密のファイル』(新潮文庫)、『スパイはなんでも知っている』(新潮社)などがある。
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