ニューハンプシャー州予備選挙に賭けるハンツマン

執筆者:足立正彦 2011年10月7日
エリア: 北米

 共和党大統領候補の指名獲得を目指す前ユタ州知事のジョン・ハンツマンは、先月29日、フロリダ州オーランドに設置していた選挙対策本部をニューハンプシャー州マンチェスターに移動することを決断した。フロリダ州の選対本部で働いていたスタッフの多くを解雇するとともに、選対本部と連携して機能していたハンツマン陣営のワシントンD.C.のオフィスも閉鎖された。

 ハンツマンが今年6月21日にロナルド・レーガン大統領同様に自由の女神を背にして出馬表明を行なってから3カ月半が経過しようとしている。その間、選対本部幹部の内部対立が表面化し、選対本部長のスーザン・ワイルズが就任から1カ月も経過せずに辞任、全米レベルの各種世論調査では支持率も引き続き低迷している。先月30日に期限を迎えた第3四半期(7月-9月期)の政治献金集めも低調であった。フロリダ州オーランドで先月24日に行なわれたフロリダ州共和党大統領選挙模擬投票では、ハンツマンの得票率は僅か2.3%となり、8人中7位と惨敗に終わった。また、サウスカロライナ州ではティーパーティー(茶会党)支援者や保守系有権者から根強い支持を受けているニッキー・ヘイリー州知事がハンツマンを支持しない意向を明確にした。こうした動きを受けて危機感を持ったハンツマンは、選挙戦略の変更を図りつつある。

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執筆者プロフィール
足立正彦(あだちまさひこ) 住友商事グローバルリサーチ株式会社シニアアナリスト。1965年生まれ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より、住友商事グローバルリサーチにて、シニアアナリストとして米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当し、17年10月から米州住友商事ワシントン事務所に勤務、20年4月に帰国して現職。
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