米国はロシアのプーチン体制への回帰をどうみているか

執筆者:渡部恒雄 2011年10月14日
カテゴリ: 国際 外交・安全保障
エリア: 北米 ロシア

 ロシアのプーチン首相が来年のロシア大統領選挙に立候補を表明し、メドベージェフ大統領が支持したことで、今後もロシアでプーチン首相の独裁体制傾向が継続することが確定した。ロシア自身は米国の反応を気にしており、メドベージェフ大統領は、TVインタビューで、彼のプーチン支持について、それが民主的なものであることを強調し、米国でもオバマ大統領が突然にクリントン国務長官と競争を始めることはあり得ないだろうと説明している。

 実は、プーチン再登板について、オバマ政権とワシントンの政策コミュニティーの立場は冷静だ。まず、オバマ政権は、プーチン体制に戻ることによって米国のロシアとの「リセット」の変更はないという立場をとっている。米国のロシア専門家の見方は以下のようなものだ。

 戦略国際問題研究所(CSIS)のアンドリュー・クチン、ユーラシア研究部長は、これまでの米露の「リセット」路線は、プーチン首相の支持のもとに、メドベージェフ大統領が行なってきたものであるため、プーチン体制に戻ったからといって変更は考えられないと指摘する。特に、ロシアが米国の「リセット」政策に同調している背景には、中国の台頭や原油価格の下落傾向、海外との経済協力の必要性などがあり、これが変わらない以上、ロシアの政策に変化はないだろうと見ている。ただし、クチン部長によれば、オバマ大統領はメドベージェフ大統領との良好な個人的関係を作ってきたが、プーチン首相とはまだであり、これからのオバマ大統領にとっての課題となる。

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執筆者プロフィール
渡部恒雄 わたなべ・つねお 東京財団上席研究員。1963年生れ。東北大学歯学部卒業後、歯科医師を経て米ニュースクール・フォー・ソーシャルリサーチで政治学修士号を取得。1996年より米戦略国際問題研究所(CSIS)客員研究員、2003年3月より同上級研究員として、日本の政党政治、外交政策、日米関係などの研究に携わる。05年に帰国し、三井物産戦略研究所を経て現職。著書に『「今のアメリカ」がわかる本』など。
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