米国はロシアのプーチン体制への回帰をどうみているか

 ロシアのプーチン首相が来年のロシア大統領選挙に立候補を表明し、メドベージェフ大統領が支持したことで、今後もロシアでプーチン首相の独裁体制傾向が継続することが確定した。ロシア自身は米国の反応を気にしており、メドベージェフ大統領は、TVインタビューで、彼のプーチン支持について、それが民主的なものであることを強調し、米国でもオバマ大統領が突然にクリントン国務長官と競争を始めることはあり得ないだろうと説明している。

 実は、プーチン再登板について、オバマ政権とワシントンの政策コミュニティーの立場は冷静だ。まず、オバマ政権は、プーチン体制に戻ることによって米国のロシアとの「リセット」の変更はないという立場をとっている。米国のロシア専門家の見方は以下のようなものだ。

カテゴリ: 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
渡部恒雄(わたなべつねお) わたなべ・つねお 笹川平和財団上席フェロー。1963年生まれ。東北大学歯学部卒業後、歯科医師を経て米ニュースクール大学で政治学修士課程修了。1996年より米戦略国際問題研究所(CSIS)客員研究員、2003年3月より同上級研究員として、日本の政治と政策、日米関係、アジアの安全保障の研究に携わる。2005年に帰国し、三井物産戦略研究所を経て2009年4月より東京財団政策研究ディレクター兼上席研究員。2016年10月に笹川平和財団に転じ、2017年10月より現職。著書に『大国の暴走』(共著)、『「今のアメリカ」がわかる本』、『2021年以後の世界秩序 ー国際情勢を読む20のアングルー』など。最新刊に『防衛外交とは何か: 平時における軍事力の役割』(共著)がある。
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