ワシントンD.C.で:ハーマン・ケイン急浮上の背景

足立正彦
執筆者:足立正彦 2011年11月1日
カテゴリ: 国際
エリア: 北米

 米国東部時間の10月31日午前、ワシントンD.C.にある共和党系シンクタンクであるアメリカン・エンタープライズ公共政策研究所(AEI)で共和党大統領候補指名獲得争いに出馬しているハーマン・ケインをゲストに迎えたイベントが行なわれ、筆者も同イベントに出席した。会場には米ABC放送の政治記者をはじめとする大手ネットワーク関係者やウォールストリートジャーナルなどの政治記者ら多数のメディア関係者の他に、全米税制改革協議会(ATR)のグローバー・ノーキスト会長や保守系フォックス・ニュース・チャネルの政治コメンテーターとして活躍しているタッカー・カールソンらも参加しており、非常に華やかな雰囲気の中でのイベント開催となった。(写真、筆者撮影)

 

 ケインは講演及び質疑応答の中で、法人税、所得税、全米売上税を9%とする自ら掲げている「9-9-9経済政策」の説明に殆どの時間を費やした。最近の共和党大統領候補討論会では同経済政策が他の共和党大統領候補から批判を浴びる中、低迷し続けている米国経済を立て直すためになぜこの経済政策を導入する必要があるのかについて訴える機会となった。ケインは大手ピザ・チェーン店のGodfather's Pizzaの最高経営責任者(CEO)当時、同社の経営を立て直すに際し、安全な解決や中途半端な解決策を模索せず、何が問題なのかを徹底的に正確に掌握した上で正しい解決策を導き出す必要性を指摘していた。それが政治家とビジネスマンとの大きな違いであるとして、ビジネス界での経験を生かして米国経済の再生を図る意向を明確にしていた。また、米国の失業者数が1400万人にも達している状況について何度も繰り返し言及しつつ、シンプルで単純化した経済議論を展開していた点も非常に印象的であった。

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執筆者プロフィール
足立正彦
足立正彦 住友商事グローバルリサーチ シニアアナリスト。1965年生れ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より現職。米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当する。
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