携帯電話戦争の現在――スマホの台頭、ノキアの凋落、中国山寨機の急伸

執筆者:新田賢吾 2011年11月4日
iPhoneは携帯電話に革命を起こした(c)PANA
iPhoneは携帯電話に革命を起こした(c)PANA

 世界の人口は70億人を突破したが、世界で利用されている携帯電話も52億台に達している。1人で数台の携帯電話を使う人もおり、正確には把握できないが、人類の2人に1人は携帯電話を保有しているとみていい。これほど世界に普及したエレクトロニクス製品は史上初めてだろう。今年も15億台超の携帯電話端末が販売される見通しだ。  その携帯電話端末市場で今、激しい戦いが繰り広げられている。戦争は3つの局面で戦われている。ひとつは、アップルのiPhoneに代表されるスマートフォンが従来型の携帯電話(ノーマルフォン)の市場を侵食する「スマホvs.ノマホ」の戦い。2つ目は、スマートフォンの市場をめぐるアップルのiPhoneとアンドロイド(Android)勢を中核とする非アップル勢の「i・A戦争」。3つ目は、従来型のノーマルフォンの市場での中興通訊(ZTE)、華為技術など中国勢の台頭に伴う、ノキアなど先進国メーカーと中国メーカーの戦いだ。

先進国はスマホ、途上国はノマホ

 調査会社の米ガートナーによると、昨年の世界の携帯電話販売台数は15億9700万台で、そのうちスマートフォンの比率は19%に達した。携帯電話全体の伸び率が前年比31.8%増だったのに対し、スマートフォンの伸び率は72.1%と大きく上回った。スマートフォンは、カナダのRIM社のブラックベリーや台湾勢のHTCが先行し、業務用で市場を拡大してきたが、一般向けに一気に普及したのはアップルが2007年1月にiPhoneを発売してからだ。
 iPhoneは携帯音楽端末のiPodに通話とメール、ウェブ閲覧機能などを加え、さらに様々なアプリケーションをiTunesからダウンロードして使うという従来の携帯電話になかった仕組みを盛り込み、携帯電話端末に革命を起こした。先進国では新規に販売される携帯電話端末ですでに過半がスマートフォンになっており、「先進国ではスマホ、途上国ではノマホ」といった分化が起きている。
 だが、スマホでも機能を省略した廉価版が出回り始めており、いずれ途上国にもスマホが広がるのは確実。むしろ途上国ではパソコンや光ファイバーなどによるブロードバンドネットワークが普及する前に、スマホによるネットアクセスが一般化する可能性が高い。携帯電話の主人公は今後、スマートフォンになるとみていい。

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