経済の頭で考えたこと
経済の頭で考えたこと(41)

アラブの春と「イラン」「中国」「イスラエル」

田中直毅
執筆者:田中直毅 2011年11月7日
カテゴリ: 国際 金融
エリア: 中国・台湾 中東

 この1年の世界の動きを見渡してみて、2011年という年を特徴づける最大の出来事は何であったのか。
 ユーロ圏の動揺、サプライチェーン・マネジメントの遮断に直結した3.11東日本大震災とタイの大洪水、米国でのQEⅡ(金融の量的緩和の第2弾)の不成功とオバマ政権の急失速などは、間違いなくグローバル・レベルで論じられなければならない事柄だ。しかし、それ以前からの認識を根底から断ち切った新事態という視点に立つならば、アラブの春の到来とその巨大なる余波こそがその最右翼と私は判断している。
 背景にあったのがSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)という1人ひとりを繋ぎ、かつ結びつけていくグローバルなプラットフォームの急浸透であった。「1人ひとり」は、簡単な端末機器によって、仮想空間を通じた接近が可能になったのだ。ジャンヌ・ダルクやローザ・ルクセンブルクのようなビッグ・ネームは必要なかった。少し前の組織論にあえて似せるならば、「憂慮する有識者達(コンサーンド・スカラーズ)」の呼びかけとでもいえるのだろうか。

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執筆者プロフィール
田中直毅 国際公共政策研究センター理事長。1945年生れ。国民経済研究協会主任研究員を経て、84年より本格的に評論活動を始める。専門は国際政治・経済。2007年4月から現職。政府審議会委員を多数歴任。著書に『最後の十年 日本経済の構想』(日本経済新聞社)、『マネーが止まった』(講談社)などがある。
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