【ブックハンティング】現役外交官が描きだしたチャーチルの本質

執筆者:細谷雄一 2011年11月22日
カテゴリ: 国際 文化・歴史 書評
エリア: ヨーロッパ

 アメリカ人にとっても、またイギリス人にとっても、「ウィンストン・チャーチル」の名前は偉大な戦争の勝利と直結しており、また「ファシズム」と「デモクラシー」の戦いにおいて後者に栄光をもたらした英雄として語られている。日本においてもチャーチルは、多くの政治家によって最も尊敬する指導者として語られる。また、リーダーシップの欠如が問われるときに、繰り返しその存在が想起される。
 しかしながら、30年以上も前に河合秀和著『チャーチル』が中公新書から刊行されてからというもの、新たな信頼できるチャーチル伝が書かれていない。それにはいくつかの理由があるのだろうが、おそらく最も大きな理由はあまりにも多くの優れた評伝が英語で書かれていることであろう。チャーチルの人生に魅了され、新しい評伝を書きたいと願う者が、ひるみ戸惑うのも無理はない。

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執筆者プロフィール
細谷雄一 1971年生れ。94年立教大学法学部卒。96年英国バーミンガム大学大学院国際学研究科修士課程修了。2000年慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程修了(法学博士)。北海道大学専任講師、慶應義塾大学法学部准教授などを経て、2011年より現職。著作に『戦後国際秩序とイギリス外交――戦後ヨーロッパの形成1945年~1951年』(創文社、サントリー学芸賞)、『外交による平和――アンソニー・イーデンと二十世紀の国際政治』(有斐閣、政治研究櫻田會奨励賞)、『大英帝国の外交官』(筑摩書房)、『倫理的な戦争』(慶應義塾大学出版会、読売・吉野作造賞)などがある。
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