「サウド家統治への抗議デモ」が頻発するサウジ東部州

執筆者:畑中美樹 2011年12月14日
カテゴリ: 国際 政治
エリア: 中東

 産油地帯であるサウジアラビア東部州で、シーア派住民によるサウド家の統治に抗議するデモが頻発している。東部州のカティーフ及び近隣の町村では、12月1日、最近の治安当局との衝突により死亡した5人の写真を掲げた抗議デモが行なわれた。その2日前には、反政府デモを取り締まるために、数十両の軍用車両が同地域一帯に配備されたばかりであった。

 アムネスティ・インターナショナルは、12月1日、ウェブサイト上に73ページからなる報告書を掲載し、平和的なデモ者や改革要求者をサウジ政府が新たに弾圧していると述べ批判している。同報告書は数千人が罪状や裁判もなく拘束されており、拷問も行なわれているとしている。また、同報告書は、反政府勢力をテロリストと規定した反テロ法の原案を、市民の権利を奪うものと批判している。

 アムネスティ・インターナショナルのフィリップ・ルーサー中東・北アフリカ暫定局長は「平和的な抗議者や政治改革の支持者たちが逮捕の標的とされ、アラブ地域で聞かれる改革の要求の芽を摘もうとしている」「広範囲にわたる強硬取締りを正当化する論法は異なっていようが、サウジ政府による厳しい対応はテロ攻撃に対して用いてきたものと酷似している」(プレスTV 2011年12月5日)と説明し、サウジ政府に注意を喚起している。

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執筆者プロフィール
畑中美樹 1950年東京都生れ。慶應義塾大学経済学部卒業。富士銀行、中東経済研究所、国際経済研究所、国際開発センター エネルギー・環境室長などを経て現職。中東・北アフリカ地域で豊富な人的ネットワークを有する。著書に『石油地政学――中東とアメリカ』(中公新書ラクレ)、『オイルマネー』(講談社現代新書)、『中東湾岸ビジネス最新事情』(同友館)などがある。
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