「裏庭」を脱することは可能か――中南米カリブ諸国共同体(CELAC)の行方

遅野井茂雄
執筆者:遅野井茂雄 2011年12月19日
エリア: 北米 中南米

 12月2、3日ベネズエラで開催された第3回中南米カリブ諸国首脳会議において33カ国を包括する地域共同体が正式に結成され、「アメリカ抜き」の中南米カリブ諸国の共同体(CELAC)設立として注目を集めた。

 2008年ブラジルでの初の首脳会議で基本合意がなされ、10年メキシコでの第2回会議で設立が承認されていたものである。今年7月5-6日にベネズエラの独立200年に合わせて第3回首脳会議を開催し、チャベス大統領が、アメリカから自立した地域共同体の設立を華々しくアピールする予定だったが、大統領のガン摘出後の病気療養のため先送りとなっていた。

 200年前に南米独立の英雄シモン・ボリバルが、独立に当たり想い描いた中南米共同体への形成に向け一歩近づいた形ではある。昨年9月11日付英誌『エコノミスト』が「誰の裏庭でもない」とする表紙タイトルの下で「ラテンアメリカの台頭」を特集して話題になったが、まさに「北方の巨人」の裏庭を脱して中南米諸国が1つになった瞬間が演出された。ボリバルの肖像画が大きく映し出された会議場の議長席で、ボリバルの後継者を任じ「ボリバル革命」を推進する病み上がりのチャベス大統領も華やいで見えた。

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執筆者プロフィール
遅野井茂雄
遅野井茂雄 筑波大学大学院教授、人文社会系長。1952年松本市生れ。東京外国語大学卒。筑波大学大学院修士課程修了後、アジア経済研究所入所。ペルー問題研究所客員研究員、在ペルー日本国大使館1等書記官、アジア経済研究所主任調査研究員、南山大学教授を経て、2003年より現職。専門はラテンアメリカ政治・国際関係。主著に『21世紀ラテンアメリカの左派政権:虚像と実像』(編著)。
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