堕ちゆく世界の迷走 (16)

波乱の年を締めくくる金正日死去とイラン核開発

ガラスの棺に横たわる金正日総書記の遺体(c)AFP=時事
ガラスの棺に横たわる金正日総書記の遺体(c)AFP=時事

 波乱の年の瀬にふさわしいニュースだった。北朝鮮は12月19日、金正日総書記が17日に死去したと発表した。彼が率いる北朝鮮が行なってきた犯罪行為については、改めて縷説するまでもあるまい。金王朝は正恩に引き継がれるが、後継者としてはいささか頼りない。東アジアにも民主化の春が訪れようとしているのだろうか。それとも……。  北朝鮮の新しい指導者を知るための10の事柄。米国の投資家向けサイト、ビジネス・インサイダーは、そんな表題のスライドショーを載せた。北朝鮮ウオッチャーにはお馴染みの事柄だろうが、頭の整理になるので順番通り紹介しよう。 ▼正恩は1982年ないし83年の1月8日に生まれた。 ▼正日総書記の3番目の、そして最も寵愛した妻である高英姫(コ・ヨンヒ)の息子である。 ▼仏英独語を話し、スイスのベルンにある国際学校で学んでいた。その際の偽名はパク・チョル。 ▼大いなるユーモアのセンスがあった。 ▼彼のアイドルはバスケットボール選手のマイケル・ジョーダンだ。肥満体で身長5フィート6インチしかないのに、彼自身バスケットボールをする。 ▼アーノルド・シュワルツェネッガーやジャン=クロード・ヴァン・ダムのファンでもある。 ▼100日戦争とか150日戦争と題した産業キャンペーンを主宰し、父とともに工場視察を行なったことがある。 ▼北朝鮮の軍事大学に学び、国防省に所属する。 ▼ニックネームは「敬愛する同志」ないし「金司令官」。父や祖父金日成にならった言い回しである。 ▼足取りと題したテーマ曲を持っていた。

カテゴリ: 経済・ビジネス
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