2011年の中国は「微博」の年。では2012年は?

野嶋剛
執筆者:野嶋剛 2012年1月11日

 新年のあいさつで、中国のメディアで働く古い知人に2011年は何が中国人を最も変えた出来事だったかと聞くと、「それは、微博と高鉄だよ」という返事がありました。

 このうち、高鉄は、高速鉄道、つまり中国の新幹線のことで、上海の脱線事故を指しています。一流、最先端、国の誇りと思っていたものが、これほどもろいとは。中国人の国家への信頼が大きく揺らいだからです。そして、ここではもう一つの微博(ウェイボー)、つまり、中国のツイッター、あるいはミニブログのことを書きます。

 最近は日本でも中国の微博についてかなり知られるようになり、芸能人や中国進出した企業なども自分のアカウントを持っています。私も個人と会社(朝日新聞の中国語発信部門の事業の一環として)の二つのアカウントを使って微博をやっていますが、会社の方はユーザーが60万人という巨大アカウントに半年で成長してびっくりしました。

 微博は中国の主要なポータルサイトによって運営されていますが、「新浪微博」や「QQ微博」はそれぞれユーザーが億単位に成長して、現在、中国での延べ微博ユーザーは6億人とも7億人とも言われています。

 さて、「微博が何を変えたのか」とメールを返してみると、その友人は「党や政府を通じた情報しか得られなかった中国の民衆が、情報発信や情報獲得の新しい手段を手にしたことだ。いままで一方通行だった中国の情報環境が、微博によって双方向になったんだ」と答えてくれました。

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執筆者プロフィール
野嶋剛
野嶋剛 1968年生れ。ジャーナリスト。上智大学新聞学科卒。大学在学中に香港中文大学に留学。92年朝日新聞社入社後、佐賀支局、中国・アモイ大学留学、西部社会部を経て、シンガポール支局長や台北支局長として中国や台湾、アジア関連の報道に携わる。2016年4月からフリーに。著書に「イラク戦争従軍記」(朝日新聞社)、「ふたつの故宮博物院」(新潮選書)、「謎の名画・清明上河図」(勉誠出版)、「銀輪の巨人ジャイアント」(東洋経済新報社)、「ラスト・バタリオン 蒋介石と日本軍人たち」(講談社)、「認識・TAIWAN・電影 映画で知る台湾」(明石書店)、訳書に「チャイニーズ・ライフ」(明石書店)。
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